工具については、指定工具といわれる必須なもの以外にも色々と便利な工具があり、試験でも電動工具以外は基本的に持ち込みオッケーだといわれています。
私が実際に使用した工具や検討した工具についてそれぞれ感想を含めて紹介していきます。
メイン工具について
私が準備したメイン工具は以下のとおりです。
それではひとつづつ紹介します。
プラスドライバー
指定工具の1つで、ランプレセプタクルなどのネジ止めに必要となり、どの問題でも必ず使用することになるため使用頻度は割と高めです。
私はVESSELのP2*75をホームセンターで購入しました。
こちらは先端サイズが2番で、柄を除く長さが75mmというものです。先端サイズの2番は一番ポピュラーなサイズなので手持ちにもあったのですが、コンパクトな方が良いのかなと思い購入しました。
2番の手頃なサイズのものを持っていればわざわざ購入する必要は無いかもしれません。
マイナスドライバー
指定工具の1つで、スイッチやコンセントなどの器具に取付枠を付けたり外したり、また間違った配線を器具から引き抜く際にも使用します。こちらも使用頻度はプラスドライバー同様そこそこ高い方です。
私はプラスドライバーと一緒にVESSEL5.5*75をホームセンターで購入しました。
先端の幅が5.5mmで、柄を除く長さが75mmとなっています。
先端の幅にも種類があり、最も使用されているのは6.0mmサイズになり、私が持っていたものも6.0mmでした。
微妙な違いなのですが、取付枠の穴に差し込むと5.5mmはピッタリハマるのですが、6.0mmだと穴に先端が入り切らないのです。
そのため器具を間違って付けてしまい取外そうとするとかなり手間がかかってしまいます
マイナスドライバーについては先端サイズを確認して5.5mm幅のものを選択するようにしましょう。
VVFストリッパー
指定工具にはなっていないですが、VVFケーブルの外装シースや芯線被覆のストリップに使用するもので、最も使用頻度が高い工具です。この工具のある無しで試験の難易度が全く別物になり、確実に必要な工具といえます。
(この工具の存在が欠陥の判断基準の変更にも大きく影響を与えていると考えています。)
私はHOZANのP-958をネットで購入しました。
電工試験に限定すれば、ストリッパーの選択肢は2種類になります。
1つ目は私が購入したタイプで比較的安価(3,000円位)であるが、測定目盛りや工具先端部が輪作り専用の形状に加工されているなど、まさに電工試験用に特化した製品と言えます。
2つ目は握り込むだけで被覆のカットと剥ぎ取りを行うことができ(機械式と呼んだりする)、前者よりもさらに素早いストリップを可能にし、より実践向きな製品です。
金額も高くなりますが(6000円位)切り込み深さの微調整もできたりと、今後仕事で使用する方にはこちらがおすすめでしょうか。
私の選択理由としては
・diyでの使用がメインなので、できれば安価に
・先端部で輪作り専用形状を利用したい
・被覆の剥ぎ取り仕上がりが、前者製品の方がキレイ(技量によるものかもしれません)
ということで、HOZANのP-958に決めました。
圧着ペンチ
指定工具の1つで、圧着スリーブをかしめることで、配線同士を接続するための工具です。配線の接続は電気工事の要であり、使用頻度も高めです。
私はエビ HAK2MAをネットで購入しました。
圧着ペンチはJIS C 9711適合のリングスリーブ用を選ぶ必要があります。
メーカー毎の違いはあまりないと思いますが、「中」までの刻印しかできないミニ圧着工具と「大」までの刻印可能な一般の圧着工具が存在します。
第2種電気工事士の試験では「○」「小」「中」の3つを使用する問題しか出ないためミニ圧着ペンチでも問題ないです。
片手で何本かの配線を抑えながらもう片方の手で作業するのには、ミニ圧着ペンチのほうが使いやすいと思います。
私も今後の作業にも「大」のスリーブを使用する場面は無さそうなのでミニ圧着ペンチを選びました。
ペンチ
指定工具の1つで電線や芯線の切断や輪作りに使用します。頻度はそこそこ高いかなと思えるのですが、先に紹介したVVFストリッパー(機械式でない方)を持っていると、機能が重複していて意外と出番は少なめです。
私はHOZANのP-43-175をネットで購入しました。
元々持っているペンチで十分かと思っていたのですが、このHOZANP-43-175は幅が12mmであることを利用して、差込コネクタ用の芯線切断が簡単にできるという理由だけで購入しました。(私はリングスリーブと差込コネクタが混在する箇所では、芯線を20mm剥ぎ取り後コネクタ部を12mmに切断していました)
金額もそれほど高いものではなく、確かに便利ではありましたが、手持ちのものがあれば購入優先度は低めかもしれません。
あと、ペンチでの輪作りは若干コツがいるので、専用形状のVVFストリッパー先端部を使用したほうが素早くキレイな輪っかができます。
電工ナイフ
指定工具の1つで外装シースや芯線被覆の剥ぎ取りに使用します。といっても実際剥ぎ取りにはVVFストリッパーを使用するためほとんど出番はないです。
私はDENSAN DK-660という製品をネットで購入しています。
正直購入するかは悩みましたが、指定工具なので一応購入した感じです。(一般のカッターナイフでは危ないので)
実際の試験では出番は無かったですが、VVRが出題されれば外装シースの剥ぎ取りに使用するつもりでした。
ウォーターポンププライヤー
指定工具の1つでアウトレットボックスへ電線管やPF管接続時の締め込みに使用するだけなので、出番は少ないです。
私は元々持っていたものを使用しました。
後述するマルチツールがあれば不要との情報もありましたが、私にはウォーターポンププライヤーでの締付けのほうが作業は簡単でした。
アウトレットボックス内部ての作業になるので購入するなら小さめのほうがよさそうです。
ニッパー
指定工具ではありません。VVRケーブルの内部の介在物切断とゴムブッシングの切り込みを入れる時に使用する、かなり限定的な使い方ですが、あれば便利です。
私は元々持っていたものを使用しました。
他のものでも代用できますが、上記作業では他の工具よりも便利なので、安い物でもあった方が安心です。
補助工具について
補助工具という言い方が正しいかは分かりませんが、こんな感じのです。
3ボールペン+フリクション(ベージュ)
配線図作成のために用意したものです。
配線図は「黒」「白」「赤」にできるだけ近い色のペンを用意しようと文房具売場で検討した結果です。
3色ペン一本の持ち替えなしで試したのですが、「赤」以外は暗くて見分けが付きにくいため、「白」を表現するのにフリクションのベージュを使用しました。
こんな感じで、見分け易くて間違いが減ると思っています。
ベージュでなくても、明るい色なら何でもいいと思います。
合格クリップ HOZAN P-926
結線前の配線をまとめて束ねておくことができます。
全ての配線をこのクリップで束ねておいて、全体を確認してから結線するという使用方法もあるようですが、私は確認した配線を次々に結線していたのでそれほど数は必要ありませんでした。
当初購入するつもりはなかったのですが、4本の配線をスリーブで結線する場合、片手だけで固定しておくのが難しく芯線露出部の長さがうまく調整できないことが何回かあったため 、4本の結線用だけのために購入しました。
なので私としては予備を入れても2つあれば十分でした。
マルチツール HOZAN DK-200
その名のとおりこれ1つでいくつもの機能があります。
一応7つの機能があるようなので、それぞれの使い勝手を私なりにまとめます。
1.先端部でブッシングの穴あけ
できないことはないですが、ニッパーのほうが断然使用しやすいです。
2.先端部で器具と取付枠の固定
使用はできますが、マイナスドライバーの方が力は入りやすいです。
3.先端部で器具の配線取り外し
これはマイナスドライバーよりも断然使用しやすいです。専用品と遜色ないです。
4.レンチ(小)で電線管のネジ切り
使いやすいですが、プライヤーやペンチでも使い勝手は変わらないです。
5.小穴でリングスリーブ押し込み
確かにあまり力を入れなくても押し込めますが、なくてもちょっと力を入れればいいだけのように思います。力のない人には便利なのかもしれません。
6.レンチ(大)でPF管のナット締付け
小回りはききますが力を入れて回すと滑りやすいので、ウォーターポンププライヤーの方が扱いやすいです。
7.レンチ(大)で電線管のナット締付け
PF管と概ね同じ印象
全体として厳しめの評価をしていますが、私は器具から配線取り外し作業だけでも十分価値があると思います。(練習時だけでも十分元をとります)高いものではないですし、人によっては他にも使い勝手の良いものがあるかもしれません。
合格ゲージ HOZAN-P-925
ホーザンのVVFストリッパーP-958 に取り付けて使用するもので、測ると切るを同時に行うことができます。
ネットではかなり評判が高いですが、結果として私は使用しませんでした。一番気になったのは、ゲージを付けることで輪作りの際に必要な3〜4cmあたりの目盛りが見えなくなることです。いづれにしてもVVFストリッパーは最も重要な工具であるため、気になる方は実際に使用してみることをおすすめします。私と同じように使いづらければ使わなければいいだけです。
工具箱に収納したほうがいいの?
工具箱が必要かというと、特に必要ないと思います。
試験場では必要な工具だけ机の上に置いておく人がほとんどです。(スペースが狭いので)
私は試験後も収納したりちょっと持ち運ぶ用に工具箱を購入しました。
スリーブやコネクタを整理しておくと練習の時に使いやすいです。
まとめ
今回は工具を個別に紹介しましたが、手元に工具を全く持っていない場合は、セットになった製品を購入したほうがお買い得です。
今後、仕事を含め目的がはっきりしていればそれに合わせて選定していけばよいと思います。
この工具を使用した私の電気工事士試験の練習方法などもまとめていますので、ぜひご覧ください。
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